現在、量子科学技術研究開発機構に所属し、人類初の核融合実験炉実現を目的としたITER計画に携わっています。ITERは、日本・欧州連合・ロシア・アメリカ・韓国・中国・インドの7国により進められている超大型国際プロジェクトです。
その中で、私は核融合炉内で劣化した内壁の点検や交換をするためのロボットアームについて研究・開発を行っています。特にメインで担当している業務は、ロボットアームが取り扱う溶接用の機械、配管検査用の機械などのツールを設計・製造することです。開発の土台となる概念設計から始まり、ITER職員と内容を議論しながら設計を固め、それを反映した試作機の製作後に検証試験を行っていきます。
研究開発では、ツールごとに出力などの要求数値があり、その数値をいかに達成できるかが重要になります。目標達成までのアプローチが分からないところから始まるため、試行錯誤しながら形にしていくことに苦労があり、常に数値を意識しながら設計を進めています。